繊維ニュース

伊藤忠/セルロース繊維工場設立/フィンランドに合弁で

2018年10月04日 (木曜日)

 伊藤忠商事はこのほど、セルロースファイバーのパイロットプラントをフィンランドに設立すると発表した。同国森林業界大手メッツァ・グループとの共同出資で、総投資額は50億円。環境配慮型素材の取り扱いを拡大して特に欧米ブランドで高まるサステイナブル(持続可能な)需要の取り込みを狙う。

 パイロットプラントはメッツァ・グループの工場内に併設する。稼働は2019年10月を予定。生産能力は年間350トンからスタートし、2~3年の試験期間を経た後の増設も視野に入れる。

 メッツァ・グループとの連携によってパルプ製造からファイバー製造までの一貫生産体制を確立することで、安定的、低コストな原材料調達を実現するほか、同グループが独自に開発した新特殊溶剤の使用により環境負荷が低減される。さらに、伊藤忠が保有する川上から川下までのグローバルバリューチェーンの活用による木材資源から繊維製品という広範なトレーサビリティー(追跡可能性)を実現するとともに、原材料から製品までの一貫したブランディングも可能になる。

 メッツァ・グループはフィンランドの森林業界のリーディングカンパニーで、森林管理、原木供給のほか、パルプ生産からティッシュペーパーや木材製品の販売を手掛ける。伊藤忠は、同グループに属する世界最大級の針葉樹パルプメーカーであるメッツァ・ファイバーと1970年代に製紙用パルプの日本向け取引を開始して以来、良好な関係を築いてきた上、12年には同社の株式を取得し、持分法適用会社とするなど関係を強化していた。

 独自製法による革新的なセルロースファイバーの基礎的な研究開発に成功したメッツァ・ファイバーから伊藤忠に協力要請があり、試験開発段階での品質確認が完了したことから、今回の共同投資合意に至った。

 伊藤忠は現中期経営計画で「主導権を持った原料起点でのバリューチェーンの構築」に取り組んでおり、今回の合弁プラント設立もその一環。