東レ・デュポン/ポリイミド繊維紙開発/「ANEX2018」で披露
2018年06月05日 (火曜日)
東レ・デュポンはこのほど、耐熱・耐寒性があるポリイミド繊維紙を開発した。航空・宇宙部品や自動車部品、電子機器部品を中心に高性能断熱素材として提案する。6日から東京で開かれるアジア国際不織布産業総合展示会・会議「ANEX2018」に出展する廣瀬製紙のブースで披露する。
サンプル出荷を6月に始め、18年末までに量産体制を整備する計画。2023年に約10億円の売り上げを目指す。同ポリイミド繊維紙は、特殊な耐熱性樹脂を繊維間の結合剤として利用することで、従来は商品化が困難とされてきた耐熱性・耐寒性に優れる非熱可塑ポリイミド樹脂繊維の機能紙を実現した。
耐熱性、耐寒性、高寸法安定性というポリイミドの基本特性に加え、従来のポリイミドフィルムと比較して熱伝導率を約80%低減することに成功した。超軽量性(1平方メートル当たり90グラム)も特徴。極低温から350℃までの温度範囲で使用可能な標準グレード品のほか、熱成型で立体形状化が可能な成型グレードも開発した。
近年、航空・宇宙、自動車、電子機器などに搭載する部品は小型軽量化・高出力化・高性能化が進み、熱マネージメントの要求が高まる。これに対して耐熱・耐寒性ポリイミド繊維紙は、従来にない高性能断熱素材として幅広い用途への展開を進める。