OTEMAS/紡績機械編
2001年09月28日 (金曜日)
《豊田自動織機/「究極」の精紡機を発表》
豊田自動織機は、単錘駆動式リング精紡機「RXi―CONCEPT」を参考出品する。
同機は、糸道の大幅変更により操業レベルでの安定性、信頼性に優れた高速回転(世界最高速25000rpm)を実現している。また、ITを活用した各錘制御管理機能(糸切れ錘自動停止機能、糸切れモニター、不調錘表示機能など)を新たに搭載し、生産性を大幅に向上させている。
さらに、機台上でのインターネットによる機台情報、メーカー情報の双方向通信機能を持つインターネットTTCS対応のニューファンクションカラーパネルを新たに搭載。同社では、この単錘駆動式リング精紡機RXi―CONCEPTを次世代の究極の精紡機として提案する考えだ。
一方、豊田自動織機では、従来モデルRX240をハード、ソフトの両面から改良した「RX240NEW」を実演する。この新タイプの精紡機は、毛羽の少ない均精度の高い糸を生産できる新開発のコンパクトヤーン装置を搭載。生産性、操作性も大幅に向上している。
このほか、3号館の同社紡機ブースでは、粗紡機「FL100」、新型練条機「DX8T―LT」、高速コーマ「VC5」などを展示する。
粗紡機のFL100は、世界最短の玉揚げ停台時間(3分30秒以下)を実現。大幅な省人化と生産性の向上に寄与する高性能機だ。また、練条機のDX8T―LTは高速で高品質のスライバーを紡出する新型機である。
《豊和工業/FMS対応「つむぎ」実演》
製品の短納期化が可能に
豊和工業は、スライバーツーヤーン式片側リング精紡機「つむぎ」とカードフィーディングシステム「1×1カードフィーダ」を出展する。
「つむぎ」は従来の精紡機のイメージを一新するスライバーツーヤーン式リング精紡機だ。供給スライバーをローラパート背面に配置した片側紡出、ハイドラフト対応ローラーパート、リニアバイコイル式長方形ケンスなどの機能により、FMS(フレキシブル・マニュファクチャリング・システム)対応に有効な精紡機となっている。
同機の特徴は(1)片側精紡機(2)スライバーツーヤーン(3)3線式トリプルエプロンハイドラフト装置(4)リニアバイコイル式長方形ケンス(5)必要な紡出条件はすべてパネル入力(6)スラブ装置(オプション)。
ハイドラフト対応ローラーパートは、ハイドラフト装置で実績のある同社の「3線式トリプルエプロンハイドラフト装置」を採用。これにより、200倍を超える広範囲のドラフト倍率でも糸品質の低下はなく、安定した紡調を確保でき、スライバーの共用化により製品の短納期化を可能にした。
リニアバイコイル式長方形ケンスでは、2錘分収容の長方形ケンスを採用することで、従来の丸型ケンスに比べ単位面積当たりのスライバー収容効率を25%以上改善し、小スペースを可能にした。また、この専用ケンスにスライバーを収容する「バイコイラー」を新たに開発している。
カードフィーディングシステム「1×1カードフィーダ」は、今までの混梳綿工程のイメージを一新。コンパクトで高性能な合繊用ベール・ツー・スライバーシステムだ。
ベールオープナー・ショートフィード・高速カードを1対1で連結して混梳綿工程を大幅に短縮。品種切り替えが容易で、1ベール以下の小ロット生産にもすばやく対応できる。
同機のコンパクトでシンプルな構成は明るい工場環境を生み出すとともに、省エネ、省スペース、イージーハンドリング、低コストを実現している。
《村田機械/新自動ワインダー初公開》
村田機械は「For the Fabric of Your Daily Life」をテーマにMVS(村田・ボルテックス・スピナー)とMJS(ムラタ・ジェット・スピナー)を実演展示する。
同社の革新空気精紡機は、高速スピニングと工程集約による優れたコストパフォーマンスで、良品質な糸を創造する。紡出する糸は極端に毛羽が少なく、ファブリックでのピリングを大幅に抑制する。また同社では、空気精紡機で紡出した糸は「リントが少ない、耐摩耗性に優れる、吸汗性、速乾性に優れる、色落ちが少ないなど、機能性とファッション性に富み、普段使いのカジュアルやスポーツウエアに理想的な素材」だとしている。
ブースでは、MVSが100%カード綿を新開発のエアスプライサーで実演。MJSはマイクロファイバー使いで機能的な「無撚結束糸」をソフトタッチのやさしい糸に仕上げる。
一方、初公開する自動ワインダーの新機種は今OTEMAS最大の話題の1つになりそうだ。
既存機種の「マッハコーナー」とは異なる新タイプのワインダーで、村田機械は「21世紀品質のワインダー」と位置付けており、79年のITMAハノーバーで発表したエアスプライサー以来の革新技術誕生となる可能性もある。
同社は新ワインダーについて、毛羽伏せ技術が大幅に向上するとともに、ヤーンクリアラー機能を発揮する糸道により欠点(スラブ)や異物(コンタミ)の混入を排除。さらに、最新のトラバースドラムにより高速解舒(かいじょ)にスムーズに適応し、後工程に悪影響を与えない「糸にやさしい」機械で、無駄な屑糸や後工程のトラブルを削減し生産効率を向上させるとしている。
ブースではボビントレータイプ、マガジンタイプ、コーン・ツー・コーンタイプの3機種を毛羽伏せ装置を付け実演。また、精紡機リンクタイプは3号館の豊田自動織機ブースで精紡機と連結出展する。
「Perfect Packages for any use」をテーマに、エコロジカルでエコノミーで地球に優しく、そして容易な操作性とメンテナンス性で使う人にも優しい「21世紀品質」のワインダーをアピールする。