18年3月期決算

2018年05月15日 (火曜日)

〈初の売上高2兆円/旭化成〉

 旭化成の2018年3月期連結決算は売上高2兆422億円(前期比8・5%増)、営業利益1984億円(24・6%増)、経常利益2125億円(32・3%増)、純利益1702億円(48・0%増)だった(短信既報)。売上高が初めて2兆円を超えたほか、営業利益、経常利益、純利益いずれも過去最高の数字となった。

 マテリアルセグメントのうち、繊維事業の売上高は1359億円(8・1%増)、営業利益121億円(3・4%増)の増収増益だった。原燃料価格高騰の影響を受けたが、人工皮革「ラムース」などが堅調に推移した。

 今期は連結売上高2兆1550億円(5・5%増)、営業利益1900億円(4・3%減)、経常利益1990億円(6・4%減)、純利益1400億円(17・8%減)を見込む。

〈市況好調で利益拡大/三菱ケミカルHD〉

 三菱ケミカルホールディングス(HD)の2018年3月期連結決算(IFRS)は、売上収益3兆7244億円(前期比10・3%増)、営業利益3557億円(32・4%増)、純利益2117億円(35・5%増)で増収増益となった(短信既報)。素材分野で石油化学製品などの市況が全般的に好調に推移し、利益を押し上げた。

 機能商品セグメント分野のうち、繊維や炭素繊維複合材料を含む機能部材は売上収益で約370億円の増収を確保した。炭素繊維複合材料は「前期と収益レベルは変わっていない」(同社)。

 今期の業績は売上収益3兆9300億円、営業利益3370億円、純利益1840億円を予想している。

〈繊維は構造改革で縮小/ユニチカ〉

 ユニチカの2018年3月期連結決算は売上高1283億円(前期比1・7%増)、営業利益116億円(7・0%減)、経常利益99億円(4・9%減)、純利益80億円(9・4%増)だった。(短信既報)

 繊維事業は売上高536億円(3・5%減)、営業利益12億円(33・2%減)だった。構造改革の実施で事業規模は縮小したが、ポリエステル短繊維や複合繊維など高付加価値品の拡販で前期並みの売上高を確保した。

 今期は連結売上高1315億円(2・4%増)、営業利益115億円(1・4%減)、経常利益100億円(0・3%増)、純利益70億円(13・4%減)を見込む

〈繊維事業は増益に/富士紡HD〉

 富士紡ホールディングス(HD)の2018年3月期連結決算は売上高358億円(前期比12・2%減)、営業利益39億円(41・5%減)、経常利益42億円(39・7%減)、当期純利益29億円(33・1%減)で減収減益となった(短信既報)。前の期で大きく伸びた研磨材事業の一般工業用途で反動減があった。

 繊維事業は売上高123億円、営業利益9億7100万円で減収ながら増益を確保した。

 今期の業績見通しは、売上高400億円、営業利益47億円、経常利益49億円、当期純利益34億円。繊維事業は売上高127億円、営業利益9億8千万円を予想する。

〈生産コスト増で減益/田村駒〉

 田村駒の2018年3月期連結決算は売上高1167億円(前期比0・7%増)、営業利益21億円(19・6%減)、経常利益21億円(17・3%減)、純利益14億円(44・1%減)だった。(短信既報)

 衣料部門は、製品販売が606億円(1・2%増)に伸びたが、生産面でのトラブルなどから素材販売は113億円(2・9%減)、全体では719億円(0・5%増)だった。

 リビング部門は素材販売が24億円(6・1%減)、製品販売が79億円(8・9%減)で、全体では104億円(8・3%減)だった。

 19年3月期は売上高1200億円、営業利益30億円、経常利益30億円、純利益20億円を目指す。