三菱ケミカル/トリアセの環境対応訴求/価値伝えて潮流を作る
2018年05月15日 (火曜日)
三菱ケミカルはトリアセテート繊維「ソアロン」が持つ持続可能性の訴求を強める。欧米諸国を中心にファッションでもエコロジーが重視されており、ソアロンが環境配慮に即した素材であることを改めて伝え、拡販につなげる。国内では環境対応を求める声はまだ大きくないが、「エコロジーの価値を訴えて潮流を作りたい」(同社)と言う。
ソアロンは天然の樹木からできるパルプを組み合わせた半合成繊維だが、再生を保証するプログラムにより持続可能な形で管理された森林からの木材を使用する。昨年には国際非政府組織(NGO)の森林管理協議会によるFSC森林認証を取得、海外展示会などでアピールしてきた。
日本でも環境への優しさを広く紹介していきたいとし、19春夏のテキスタイル素材展開ではソアロン100%で作った「ソアロンティス」などで天然繊維のような美しさと化学繊維が持つ快適性・利便性を訴える。オーガニックコットンと複合した素材(「ソアコティ」など)もエレガンス・カジュアルとして提案する。
そのほか、キュプラと組み合わせた「ソアロン・プラス」をそろえる。ソアロンだけでなく、ポリエステルでも環境を意識し、ペットボトルから作られたリサイクル繊維を特殊な糸加工技術でエレガントかつナチュラルに仕上げた「エコルナ」の打ち出しを強める。
これらは10、11日に東京で開いた「19春夏テキスタイル素材展」で提案され、注目された。ナチュラルで心地よい清涼感が特長の新素材「サネリア」、トリアセテートのフルダル新原糸「トライラテ」などを並べ、メンズ分野深耕に向けた取り組みも見られた。