AFF・大阪 今日最終日/にぎわうODMエリア/生地・製品の一貫など訴求

2018年04月12日 (木曜日)

 10日にマイドームおおさか(大阪市中央区)で開幕した日本最大級の繊維・アパレル製品OEM/ODM展「AFF・大阪2018」は12日の今日、最終日を迎える。事務局によると初日の来場者数は1700人(速報値)で、前回展初日の1400人を大きく上回った。

 2日目を終えた時点で、特に来場者の面でにぎわいを見せたのが、新設された「ODMエリア」。独自の企画提案を得意とするメーカーや生地からの一貫生産体制を構築するメーカーなど約50社が同エリアに出展している。

 ODMエリアに出展する南通艾達紡織品は今回展が5回目の出展。自社で編み立て工場を保有する生地から製品までの一貫生産体制が強みで、レースや布帛も協力工場で手配する。2014年にスタートした製品事業が急成長しており、現在の売り上げ構成比率は生地と製品でほぼ等分。自社保有の編み機は14台、ミシンは約100台。

 販路は対日と中国内販で、レディース衣料とメンズ衣料の両方を生産する。「日本市場は特に価格の面で厳しさを増している」が、今回展では「生地からの提案を受け入れてもらえるところを探しに来た」と付加価値路線を強めることで価格訴求一辺倒からの脱却を狙う。

 AFF・東京を含め9回目の出展となる南通依芙国際貿易も今回展はODMエリアへの出展。布帛を軸とした生地からの一貫生産体制が強みで、アイテムはレディース製品が中心。元々が生地メーカーだが、最近は生地の単独販売よりも製品納入が主力になっている。デザイナー、パタンナーも自前で、生地からの付加価値提案とデザイン力によって、「今回も新規取引先を獲得したい」と対日ビジネス拡大を狙う。

 マフラーや帽子、手袋を生産販売する上海絲旺尼国際貿易もODMエリア。AFF・大阪は初出展で創業が06年と新進企業だが、販路はほぼ100%が対日で、実績を積んでいる。自社で編み機30台の編み立て工場と染色工場を持ち、協力工場も多数抱える。定評のあるニット製品のデザイン力で、対日輸出をさらに伸ばす。

 諸城帝聖紡織品はAFF・東京含め12回出展の実績を持つスポーツウエア、ルームウエアのODMメーカー。売り上げの65~75%が対日で、他には米国向け、欧州向けなども展開。複数の有名スポーツブランド向け生産を長年続けており、機能素材の開発力含め品質力に定評がある。自社縫製工場は江蘇省と山東省に1軒ずつ。

 主力の対日輸出は「特にプライス面の要求が厳しくなっている」ため、可能な限り価格対応を進める一方、高機能化、付加価値提案を強め、「中高級品ゾーンの新規顧客を獲得したい」と意気込む。