三菱ケミカル アクリル短繊維/イラン向けが拡大/差別化商品の拡販に注力
2018年04月12日 (木曜日)
三菱ケミカルのアクリル短繊維「ボンネル」の前期(2018年3月期)は、販売量が回復したものの利益面では原料高騰の影響を受けた。今期は数量の回復とともに利益率の改善に重点的に取り組む方針で、差別化品比率の向上などに注力する。
前期の販売量は国内衣料向けが堅調で、輸出もイラン向けやインドネシア向けが順調に伸びた。衣料向けは、16年の厳冬もあってインナー、セーターなど総じて順調に推移。18冬も寒さが厳しくなる中で店頭が好調だったことを受け、19秋冬に向けた動きも早まっているという。
中国のアンチダンピング措置を契機に進めていた新市場開拓は、イラン向けやインドネシア向けが順調に伸びた。イランはカーペット用途、インドネシアは衣料向けが中心で、今後もさらなる拡大を狙う。
一方で下半期は、原料価格が高止まりする中で採算が厳しくなった。今年度は販売量の回復とともに収益の改善に重点的に取り組む。そのために独自性の高い商品の比率をさらに高めていく方針で、「素材メーカーとして商品の差異化をしっかりとやっていく」(宇野隆治繊維営業グループマネジャー)と言う。19秋冬向けでは、バリエーションが広がった極細アクリル「ミヤビ」シリーズ、芯鞘構造の「コアブリッド」シリーズなどを重点的に伸ばす。拡大するイラン向けでも差異化商品の販売にも取り組む。