テイジン・フロンティア〈タイランド〉/構造改革生かし拡大へ/タイ起点にグローバル販売

2018年03月15日 (木曜日)

 帝人フロンティアのタイ現地法人であるテイジン・フロンティア〈タイランド〉は、帝人グループのポリエステル繊維事業の構造改革が完了したことを生かし、2018年度も増収増益を計画する。特に工業用繊維や自動車資材はタイを起点にグローバル販売を強化する。

 神田裕社長によると17年度(18年3月期)はここまで増収増益で推移するなど堅調な業績となった。

 同社は売上高の約70%がゴム資材やカーシート、タイヤコードなど産業資材が占めるが、ゴム資材は農機用Vベルト基布が好調に推移し、カーシートもタイ国内での自動車生産拡大が追い風となった。

 売上高の約20%を占める原料(合繊糸・わた)も堅調。テイジン・ポリエステル〈タイランド〉(TPL)が生産するポリエステル糸・わたの販売が主力だが中国や韓国から調達した糸・わたも扱う。TPLのポリエステル短繊維も衛材用などで販売が拡大した。

 一方、衣料用テキスタイルは国内販売が振るわず。16年10月にラーマ9世国王が死去したことで国民が喪に服し、衣料品消費も低迷したことが影響した。

 神田社長は18年度に関して「帝人グループのポリエステル繊維の構造改革が完了し、タイが生産の中核になった。これを生かして増収増益を計画する」と話す。テイジン・コード〈タイランド〉が生産するゴム資材用シングルエンドコードなどの拡販を進める。テイジン・FRA・タイヤコード〈タイランド〉が撚織・ディッピングするタイヤコードも供給先の品質承認作業が進んでいることから販売が本格化する。

 カーシートや車両資材は帝人フロンティア工繊・車輛資材本部のグローバル推進室と連携し、「タイ国内だけでなく、海外への販売も拡大する」とし、タイを起点にグローバル販売体制を構築することを目指す。

 衣料用テキスタイルは機能素材の開発・提案を強化する。TPLが生産する機能糸・わたの活用や織布・染色のタイ・ナムシリ・インターテックスとの連携を一段と進める。

 タイでは人件費の上昇などが続いていることから「コスト削減も大きなテーマ」と強調。生産会社との連携を深めることで「共同で“カイゼン”活動に取り組む」と話す。