三菱ケミカル/カーペット用10%増へ/BCFナイロンも武器に

2018年03月08日 (木曜日)

 三菱ケミカルは、2019年3月期のカーペット用糸販売量について前期比10%増を計画する。カーペット市場は今年半ばから、首都圏のオフィスやホテルを中心にコントラクト用途で旺盛な需要が見込まれる。

 同社はカーペット用でポリプロピレン(PP)長繊維「パイレン」に加えて、前年からBCFナイロン(ナイロン6)「キラビス」の生産も始めた。PPでは対応しづらい価格ゾーンがあったが、ナイロンを加えて中高級ゾーンを拡充。旺盛な市場のニーズに応える。

 キラビスは、購入したナイロン6チップを使い、同社の溶融繊維工場(愛知県豊橋市)で既存のPP紡糸機を活用して生産する。繊度は1380デシテックス(T)。原着糸60色を在庫するほか、在庫以外のカラーと繊度(1100~3千T)にも柔軟に対応するバイオーダーを受ける。

 吉田房織物が新展開する業務・家庭用タフテッドカーペットで既に使っているほか、「それ以外にも入っている」(高機能成形材料部門繊維本部繊維素材事業部繊維資材営業グループの佐野博之マネジャー)と言う。

 PPでは、パイレンに防虫忌避剤を練り込んだ防虫素材「クリーンライフネオ」をカーペット用途にも提案する。

 同社の18年3月期のカーペット事業は数量ベースで前期並み。コントラクトのタイルカーペット、自動車用は微増だったが、一般家庭用が減少した。