伊藤忠北陸テキスタイル課/自社企画品比率高める/輸出向けコレクションで

2018年03月06日 (火曜日)

 伊藤忠商事北陸テキスタイル課は生地輸出事業で今後、自社企画品の拡大に取り組むとともに、アウター系の機能素材や編み地などによる着心地にこだわった生地の拡販を狙う。

 同課によると2018年3月期の生地輸出売上高は、前期並みとなる見込み。前期が前の期比でかなり伸びたこともあり、今期は思うように伸ばせなかった。

 来期以降も引き続き輸出拡大に臨むが、そのポイントに据えるのが自社企画品の充実。北陸産地の織り・編みメーカーや染色加工場と取り組んで生地開発を続ける同社だが、商社としてメーカーの開発品をそのまま販売する機能も持つ。

 近年はフランスの「プルミエール・ヴィジョン」(PV)やイタリアの「ミラノ・ウニカ」(MU)に出展し、海外向け生地コレクション「リビナックス」を毎シーズン発表するようになり、自社企画品も拡大中。この流れの中で、「北陸産地やその他産地と連携した自主的な企画、モノ作りの機能をもっと高めていく」とし、今後はトレーディングからコンバーティングへのシフトを進める。

 同課の欧州を軸とした生地輸出はレディース向けがメイン。商品戦略として重視するのは、ここを維持した上で、軽量高密度などアウター向けの機能素材と、編み地など着心地にこだわった素材群の充実。

 2月に出展したPVとMUではアウター向け機能素材を「ファンクショナル」、ストレッチやジャージ、トリコットなど着心地追求の素材を「コンフォタブル」、レディース向けのエレガントな素材を「アトラクティブ」とカテゴリー分けして訴求した。バイヤーからは狙い通り、高強度ナイロン「コーデュラ」使いのジャケット地や、和歌山産地製のジャージーなどが人気を博した。