三菱ケミカル/BCFナイロンに参入/原着60色「キラビス」展開
2017年12月04日 (月曜日)
三菱ケミカルは、カーペット用BCFナイロン(ナイロン6)事業に参入した。「KILAVIS(キラビス)」ブランドで原着糸60色を在庫するほか、カラー、繊度に柔軟に対応するバイオーダーも受ける。
同社はポリプロピレン(PP)長繊維「パイレン」を展開してきた。パイレンはカーペット用途が柱の一つになっているが、PPだけでは対応しづらいゾーンがあり、ナイロンも手掛けることでカーペット用での収益拡大を図る。
新ブランドのキラビスは、「きらびやかな+AMAZE(驚異的な)」をアレンジした。60色の豊富なカラーバリエーションをそろえ、繊度は1380デシテックス(T)。さらにキラビスの在庫以外のカラーと繊度(1100~3千T)にも柔軟に対応する点を強みに挙げる。
キラビスは、購入したナイロン6チップを使い、同社の溶融繊維工場(愛知県豊橋市)で既存のPP紡糸機を活用して生産する。PPとナイロン6では融点が異なるため難しさがあったが、溶融紡糸工程部分を工夫することなどで生産を可能にした。豊富なカラー展開と、バイオーダーへの柔軟な対応はPPで培ってきた技術・経験を生かす。またインターミングル加工も一貫で行う。
用途は中高級のコントラクトカーペット、ホームユースカーペット、自動車用オプションマットなどを視野に入れる。既に吉田房織物が新展開する業務・家庭用タフテッドカーペットで採用されている。
BCFナイロンは当面、年間1500トンの販売を目標にしており、高機能成形材料部門繊維本部繊維素材事業部繊維資材営業グループの佐野博之マネジャーは「柔軟に対応していく」と話している。