インアゴーラ/伊藤忠と資本提携/物流・商品調達で連携

2017年11月24日 (金曜日)

 中国人向けの電子商取引(EC)プラットフォームを運営するインアゴーラ(東京都港区)は22日、伊藤忠商事、KDDI、SBIホールディングスと資本提携したと発表した。3社を引き受け先にした計約76億円の第三者割当増資が完了し、国内外の物流拠点の拡大や、人員の増強に充てる。

 インアゴーラは2014年創業。日本国内の衣料品、食品、化粧品など2万ブランド、4万点の商品を販売するショッピングアプリ「豌豆公主(ワンドウ)」を運営する。衣料品ではエドウイン、サマンサタバサ、トリンプなどの商品を扱う。

 今回、資本提携した企業とは業務面でも連携する。伊藤忠商事が持つ中国の物流拠点の活用や、多様な商品ネットワークの供給を受ける。KDDIが運営するショッピングモールサービスと共同で、日本国内のEC事業にも参入する。

 22日、東京都江東区のインアゴーラの倉庫で開いた会見では、同社の翁永飆社長が今後の戦略を発表した。翁社長は日本のメーカーの商品情報が中国の消費者に正確に伝わっていない点を指摘。独自のマーケティングモデルを生かし、商品情報のデータベース化や通関の基盤整備を進める構想を発表した。

 伊藤忠商事の鈴木善久専務は「繊維ではエドウイン、食品ではファミリーマートといったネットワークを活用し、日本と中国をつなぐ最強のプラットフォームを作りたい」とあいさつした。