三菱ケミカル/フルダルのトリアセテート開発/ユニフォームなどへ提案
2017年11月14日 (火曜日)
三菱ケミカルは、トリアセテート「ソアロン」のフルダルタイプとなる「トライラテ」を開発した。酸化チタンを繊維に練り込み、透け防止やUVカット、遮熱といった機能を付与した。ファッション性と機能性を融合した素材として、ユニフォームやスポーツ用途を中心に19春夏からの本格販売を目指す。
テキスタイル営業グループ機能テキスタイルチームによると、ソアロンのフルダルタイプの展開は初めて。新素材のトライラテは表側ではなく、肌側に用いるなど「機能面を前面に押し出す」(機能テキスタイルチーム)。
酸化チタンを高濃度に練り込むことで紫外線や可視光、赤外線の透過率を抑制し、透け防止などの機能を高めた。同社のテストでは、ブライトと比べて紫外線透過率や可視光透過率で大きな差が生まれ、生地表面の温度にも違いが生じる。トリアセテート本来の質感や機能性も併せ持つ。
サービスやメディカル関連などのユニフォーム用途、学生服分野(制服と体育衣料)では防透け性を訴求し、スポーツ用途ではUVカットや遮熱性能をアピールポイントにする。ポリエステルなど多様な素材と複合で展開する。9、10日に東京都内で開いた機能素材展(テキスタイル素材展併催)で披露した。
機能素材展では高機能導電スパン糸「L100」も新たに提案した。リンキング糸や編み込み糸として使えるため、使用量を抑えながら静電気の除去が可能になる。洗濯後でも効果が持続する。同展では通気性をコントロールする「ベントクール」の秋冬版「ベントウォーム」なども並べた。
同時開催のテキスタイル素材展では、しなやかで優雅な光沢感を持つロングセラー素材「レベッカ」のほか、ナチュラルな艶とドライタッチが特徴のエレガンススポーティー素材「ユーフィー」、ナチュラルな質感を持つ「ネオミッション」などを打ち出した。