東レとオーロラ/ナイロン傘地 共同で/大胆なデザイン可能

2017年11月10日 (金曜日)

 東レとオーロラ(東京都千代田区)は、傘地としての寸法安定性をクリアしたナイロン織物「カラフロン」を共同企画した。傘地の主流であるポリエステルでは表現が難しい高級感のある奇麗なプリントが可能になる。カラフロンを使用した雨傘はオーロラが全国の百貨店などで販売する。

 両社は1953年に傘用のナイロン織物を共同で企画し、日本で初めてナイロン生地を使用した軽量雨傘を誕生させた。近年、傘地は寸法安定性などに優れるポリエステルに主役の座を奪われているが、取り組み開始65周年を機に、傘地用の新ナイロン織物を作り上げた。

 カラフロンは、ポリエステルの傘地よりも強度に優れ(東レ比)、薄さや軽さが大きな特長となる。染色性に優れているため、淡色から濃色まで幅広い色味が表現できる。移行昇華現象が起きないため、ポリエステルではできなかった大胆な配色を使ったデザインの展開が可能。

 傘地は糸から織り、加工まで国内で生産し、傘は新潟で製品化するなど、全て日本国内で行う。

 オーロラがプライベートブランド「フヘンラフィーユ」と「フィーゴスティローソ」(メンズ)から18年3月に発売する。長傘(婦人は10本骨、紳士は12本骨)とミニ傘を用意している。ミニ傘は骨に東レの炭素繊維「トレカ」を使用する。価格は6千~1万円。

 初年度は1万5千本、3年後に3万本の販売を計画している。両社の取り組みで誕生したものでは「サマーシールド」があり、この傘地を使った日傘は年間10万本を販売するヒット商品になっている。オーロラの若林康雄社長は「カラフロンも大きく育てたい」と話した。

 カラフロンを使用した雨傘は、オーロラが東京都内で開いた18春夏展示会で披露した。