ユニチカトレーディング/減収に歯止めかける/新たな開発商品も市場投入

2017年10月03日 (火曜日)

 ユニチカトレーディング(UTC)の竹歳寛和社長は2018年3月期に向けて「何としても減収に歯止めをかける。そのために既存ビジネスの戦略見直しを進める」と話す。ベトナム拠点での開発機能強化や、開発商品の市場投入で国内外の工場操業度を向上させることに取り組む。

 同社の17年4~9月業績は、大幅に計画を上回った前年同期実績には達しなかったものの今期計画は達成した模様。衣料繊維事業は糸売りや婦人服地・製品が苦戦もスポーツやユニフォームが増収となり、デニム輸出も欧米SPAへの販売拡大でV字回復した。

 産業資材事業も増収となったようだ。フィルム販売などが好調だったほか、3月末でユニチカがビニロン繊維の販売から撤退し、その商権の一部がUTCに移管されたことも売上高拡大につながった。ワイピング材など機能製品も半導体関連向けが好調だった。

 17年10月~18年3月に向けて竹歳社長は「引き続き減収傾向に何としても歯止めをかける」と話す。そのために引き続き調達・販売戦略の見直しを進める。従来の国内生産と国内販売・輸出だけでなく、海外拠点を活用した内販や三国間輸出の拡大を狙う。「グローバルなサプライチェーンの中で機能を発揮し、差別化を進める」。

 新素材・新商品の開発と市場投入を強化する。鎌倉シャツとの共同企画なども始まった。海外での独自商品開発にも力を入れる。そのため今期はベトナム・ホーチミンに新たな事務所を設けた。技術者を派遣しており「ASEAN地域のR&D(研究・開発)センターの役割を担う」ことになる。