「AFF・東京2017」/日中企業を結ぶAFF/来場者10%増見込む

2017年10月02日 (月曜日)

 「AFF・東京2017」(主催=AFF、日中経済貿易センター)が9月29日、閉幕した。2日目(同28日)までの来場者は3182人(初日1716人、2日目1466人)。初日(同27日)は昨年の東京展に比べ10%ほど増え、3日間の会期全体でも同程度の来場者増が見込まれる。多くのブースで熱心な商談風景が見られ盛況だったというのが会期を通じた印象。次回は18年4月10~12日にマイドームおおさか(大阪市中央区)で開かれる「AFF・大阪2018」。東京展は同9月26~28日、サンシャインシティ(東京都豊島区)となる。日中経済貿易センターの池田稔理事に今回の東京展を振り返ってもらった。

  ――会期を通じて活況な東京展だったと感じました。

 全般的に良かったと捉えています。空いているブースが少なく、常に商談が行われていました。婦人ニットコーナーを4階に置くなどゾーニングの工夫で3フロアの会場全てを周遊する来場者も多く、期待通りでした。

 初日には駐日中国大使館経済商務処の宋耀明公使、中国中紡集団公司の袁飛総経理、当センターの村山敦会長が会場を視察し、高い技術と豊富な原材料を背景とした中国繊維産業基盤の総合力を発揮していることが評価されました。

 AFFが、中国の産業基盤と日本市場を結ぶプラットフォームになっていることを改めて示したと思います。

  ――次回展の方向性は。

 大阪展の出展者募集を年明けまで行います。7割のリピーターと3割の新規出展という比率は維持する方針です。東京展も素材関連の出展企業を増やすほか、規模拡大の検討を進めます。製品OEM/ODMを支える展示会として、より多くの来場者を募る取り組みに、さらに力を入れていきます。

〈石家庄華富隆晟工貿/最高水準の高視認性安全服訴求/ビジネス拡大へ意欲〉

 中国・河北省の作業服メーカー石家庄華富隆晟工貿は「AFF・東京2017」に初出展した。主力商品の高視認性安全服では欧米と豪州、ニュージーランドに製品を収めており、ドイツ・デュッセルドルフで10月に開催される「国際労働安全機材・技術展A+A」にも連続で出展している。AFFについて王健社長は「多数の来場者と有意義な商談ができた」と手応えを語った。

 同社は2007年の創業で、主力事業は作業服やアウトドアウエアなど堅ろうで動きやすい衣類のODM。高視認性安全服のオーダーや問い合わせは創業時から受けていた。「市場には低価格で品質の良くない製品も多かったが、人命に関わる製品には最高水準の品質が必要」(王社長)と考え、欧米の規格をクリアし輸出に特化した。

 英国では警察や鉄道関連業で実績を作り、一般向けの安全ベストなども手掛ける。高視認性安全服のISO化(2014年)後ということもあって需要は増え続け、高視認性安全服の売り上げは全社の3割を占める。

 米国から素材を調達するため価格は高くなるが、「利益は薄くなるものの、短期に大きな売り上げを狙うより、高品質な製品を安定供給し続けるのがメーカーの使命。多くのユーザーが必要なコストと考え、発注してくれる」と言う。

 会場ブースには作業服、アウトドア、高視認性安全服のサンプルを置いたところ、関心は高視認性安全服に集中した。日本国内ではJIS規格化を受けて普及が期待されている。「良いビジネスパートナーと出会い、商機を増やしたていきたい」と王社長。今月17日からの「A+A2017」への出展が控えている。