「AFF・東京2017」/中国縫製 多極化へ対応/東南アジア工場エリアも設置

2017年09月28日 (木曜日)

 27日に東京池袋・サンシャインシティ文化会館で開幕した「AFF・東京2017」では、中国縫製工場の縫製拠点の多極化への対応がより鮮明になってきた。

 会場の一角、東南アジア工場エリアには、中国の縫製工場などがミャンマーやカンボジア、バングラデシュに持つ工場が直接ブースを構え、東南アジア縫製にも対応できることを訴求する。

 上海鶴山針織服装は2015年11月開設の第1期900人規模のミャンマー工場をアピール。中国の上海と江蘇省に300~500人規模の工場を持ち、バングラデシュにも日本の大手SPA向け専用工場を持つ。

 カットソーを得意とし、日本向けが60%を占める。リードタイムの短い商品や、ブランド物の高感度なアイテムは上海で対応し、中国縫製でコストの合わない、ボリュームゾーンで比較的ロットの大きい商品はミャンマー工場を使う。

 中国に3工場、ミャンマーに2工場、カンボジアに1工場を持ち、レディース衣料全般を生産する江蘇三潤服装集団股¥文字(U+4EFD)も、取引先が要望するリードタイムと単価によって工場を使い分けているという。

 日本向けに対応する中国企業の東南アジアの工場は品質面も細心の注意を払っている。13年にカンボジアに設立した1300人規模の利昌盛〈カンボジア〉製衣で出展した江蘇省の丹陽柏盛服装は、中国から15人の指導員を送り込み、日本向けの品質を維持する。

 「関税メリットからミャンマーやカンボジアを使いたいという日本の取引先は多い」(出展者)だけに、今後も中国縫製工場の多極化対応が進みそうだ。