西川毛織/軽さと暖かさ訴求/PP使いのコート地提案
2017年09月19日 (火曜日)
紳士服地製造大手の西川毛織(名古屋市中区)は、経糸にポリプロピレン(PP)繊維「ライブエア」を使ったコート地を来秋冬向けに提案し、軽くて暖かい素材として訴求する。
ライブエアは三菱レイヨン(現・三菱ケミカル)などが開発したPP繊維で、三芯中空断面繊維による軽量性と保温性が特徴。ポリエステルの半分ほどの比重で、水に浮く軽さがある上に、通常のPPより暖かさもあるという。
コート地は緯糸に紡毛を使い、表面はビーバー仕上げを施した。糸番手の違いにもよるが、経・緯で紡毛糸を使ったコートに比べ、重さが30%ほど軽減されるという。昨年から稼働している愛知県稲沢市の工場で整経した。
西川隆造社長は「軽い上に暖かい製品が求められる市場のニーズに対応して企画した。ライブエアとウールの交織は世の中にはない生地」と話す。
同シーズンには、染色した生地に顔料プリントをして洗いをかけたものや、モールを張り付けたフロッキープリントなど尾州と他産地とのコラボ商品も訴求する。
今期(2017年11月期)は減収減益を見込む。発注数量や単価が落ち込んだことが要因。前期は売上高85億円で、7期連続で増収していた。