シキボウ/靴下・レースへ拡販/連続シルケット糸「フィスコ」

2017年08月30日 (水曜日)

 シキボウは、日本では同社グループのみが製造している連続シルケット加工糸「フィスコ」の用途拡大に取り組む。これまで主に婦人カットソー製品に採用されてきたが、靴下やレース用途への拡販も狙う。

 糸の連続シルケット加工を日本で行っているのは、子会社のシキボウ江南(愛知県江南市)だけになっているという。月産能力10トン。シルケット加工を行うと糸表面の光沢が増し、発色性も良くなる。加工法には連続シルケットとカセシルケットの2種ある。同社によると連続シルケットはカセシルケットよりも光沢が増し、発色性も高く、加工むらも少ないという。

 フォーマルブラック水準の濃い黒色に染めた糸などを靴下市場へ提案している。レース分野におけるカセシルケット糸からの置き換えも狙う。

〈100番双級 追加/越産の精紡交撚糸に〉

 シキボウは、ベトナムの協力紡績工場1社を活用して備蓄販売している精紡交撚糸「デュアルアクション」に、100番双級糸を加える。これまで76番双級までそろえていたが、インナー業界から100番双級も生産してほしいとの要望が出ていた。

 ベトナムで既に生産しているデュアルアクションは、綿100%、綿70%・「モダール」30%混、綿70%・アクリル30%混の3種。前2者で60番双級と76双級を、後1者で60番双級と72番双級をそれぞれ備蓄販売していた。これら3種の全てについて、100番双級糸も備蓄販売する。

 同社は約10年前に、ベトナムの協力工場で糸生産を開始。3年前に、備蓄販売も開始した。中国やベトナム、タイで生産され、日本で販売されるニット製品に使われる場合が多い。販売規模は年々拡大しているという。

 備蓄してはいるが、極小ロットで販売しているわけではない。アパレル・メーカーや小売り企業との商談である程度の需要量を把握。それよりも多少多めに生産して備蓄することで、急な追加発注や新規需要に対応する。