タイ・ナムシリ/スポーツ分野拡大に力/服地は欧向けなどで再構築へ

2017年08月30日 (水曜日)

 帝人フロンティアのタイ子会社、タイ・ナムシリ・インターテックス(TNI)では3年ほど前からスポーツ分野向けの受注が拡大しており、今後も伸ばす。加えて新規分野として取り組むカーシート地で将来の拡大を見込むとともに、不振が続く衣料向けでも欧州開拓などで再構築を図る。

 (バンコクで吉田武史)

 同社はポリエステル100%織物を主体とする織り・染め一貫企業。近年はニット設備を整えるとともに3年前からスポーツ分野の開拓に取り組み、今では織り・加工の3割が同分野向け。2015年、16年とスポーツ分野向けにカレンダー加工機を導入し、エンボス加工機と染色機も同分野に適したものを導入。織機と織布準備機も同分野を意識して更新した結果が、「計画以上の拡大」(山口尊志社長)を呼び込んだ。

 「ニットと併せてスポーツ分野をさらに拡大する」ことが今後の継続方針。今年3月に開発用丸編み機を導入したのも同方針の一環。

 カーシート地も3年ほど前から開拓した新規分野。今期は横ばいを見込むが、今後は帝人フロンティア〈タイランド〉との連携を強めながら織り、加工の一貫で受注拡大を狙う。

 以前の同社の基幹事業だったファッション分野向けは国内市況の低迷を背景に苦戦が続く。この立て直しに向けて力を入れるのが欧州向けスーツ地などで、グループ連携含め「再構築に向けて提案を強化していく」方針を打ち出す。

 中東トーブ地輸出は昨年から失速して今は「静観するしかない」状況。ただ、従来はポリエステル長繊維の加工のみだったが、今後は外注生機で同短繊維の加工もスタートする。