AFF展きょう最終日/東南・西南アジアも勢い/生産コスト強みに集客

2017年04月13日 (木曜日)

 日本最大級の繊維・アパレルOEM/ODM展示会「AFF・大阪2017」(AFFと日中経済貿易センターの共催)が今日13日、会期最終日を迎える。初日11日の来場者数は前年並みの1400人だった。2日目も会場は混雑し、活発に商談する来場者の姿が見られた。

 中国大陸からの出展者が全体の87%(280社)と圧倒的多数を占める今回のAFF展だが、会場1階に集まる東南・西南アジア企業35社も生産コストを強みにアピールし、各ブースは商談でにぎわう。

 バングラデシュから初出展したアパレルのアルズコーポ―レーション(ダッカ)は綿100%のTシャツ、ポロシャツなどカットソーをメインに出展。カジ・アルズCEO(最高経営責任者)は中国企業との差別化について、「綿素材でここまでコストを落とせる企業はない」と胸を張る。「大阪の企業との取引が徐々に増えており、将来的には大阪オフィスを開設したい」と話す。

 インドの大手タオルメーカー、シュリ・ラクシュミ・コットン(カーンプル)も今回が初出展。織り柄やプリントなど多彩な品ぞろえをアピールした。特徴的な商品として打ち出すのが「サンドフリータオル」。独自の製織技術により砂地に敷いても砂が付着しないという。営業担当のR・スレンタール・クマール氏は「薬品は一切使わず砂の付かない機能を実現した。人体にも優しい商品」とアピール。「日本への売上高は全体の5%ほどと少ないが高品質と低価格でシェアを拡大したい」と意気込む。

 台湾の提威工業股●(台北市)は「ゴアテックス」を使ったワークウエアや止水機能付き製品を出展。日本向けは売上高の50%程度。台湾で培った技術力を中国とベトナムの工場に移管し、品質の高さを強みとする。小ロット対応は中国工場、ロットの多いものはベトナムと使い分ける。

(●はにんべんに分)

〈“太極石”繊維アピール/依美時尚国際〉

 中国の機能繊維アパレル、依美時尚国際(山東省青島市)がAFF展でユニークな原料を使った機能繊維をアピールし、来場者に注目されている。

 その一つが「太極石健康エネルギー繊維」。天然鉱石の一種の太極石をナノレベルの粉末にした後、ポリエステル、レーヨン、ナイロンなどの原料に練り込んだもの。太極石の87%はガラスなどの主成分である二酸化ケイ素。チタン、カリウム、ゲルマニウムなどの元素も含む。

 血流を改善したり、新陳代謝を促進したりという健康面でのプラス効果が期待できるという。その上優れた抗紫外線機能や黄色ブドウ球菌へ抗菌効果もうたう。

 もう一つはグラフェンという炭素の同素体を繊維に練り込んだ新型保温素材「グラフェンテック」。人体と周囲の熱を吸収して強い赤外線にするグラフェンの性質を保温機能として使う。高い保温性が特徴で、中国の検査機関の実験では生地の温度が常温状態で生地が3~5℃ほど上昇することが確認済みという。抗菌制菌や静電気防止といった効果もある。

 同社は既に、已に7種類の繊維で日本国内での特許を取得しており、毎年10種類程度新たな機能繊維を今後増やしていく方針。