プロミネント〈ベトナム〉/一貫対応の枠組み構築/テキスタイル課新設

2017年02月23日 (木曜日)

 【ホーチミン=石川亮】伊藤忠商事繊維事業のベトナム中核拠点、プロミネント〈ベトナム〉は現地一貫生産体制を強化する。同社内にテキスタイル課を設立して素材開発機能を高める。ベトナム国営繊維公団(ビナテックス)との連携強化を通じて低賃金エリアでの縫製工場も開拓する。

 テキスタイル課は4月に設立する。製品OEM・ODMで素材調達を担当してきた現地スタッフや増強する邦人1人などで構成する4人体制で現地企業との開発に取り組む。製品ビジネスで主力のシャツ、ユニフォームでは現地素材活用比率の向上につながるバリエーション拡充などに取り組むほか、スポーツウエア向けの素材も注力分野とする。

 ビナテックスとの提携強化を通じた現地系メーカーとの開発と「スポーツ素材では韓・台系企業に日本技術を導入する」(谷衡一郎社長)など外資系企業との両輪で取り組む。

 5月をめどに同社内に、開発と生地サンプルを並べるためのスペースも設ける考え。伊藤忠テキスタイル・プロミネント〈アジア〉(IPA)のタイ現地法人と伊藤忠商事のインドネシア現地法人に続き、ベトナムでの素材開発機能を持たせる。

 縫製面では、低コストエリアでの協力工場の開拓に取り組む。最低賃金が4段階に分類されるベトナム中で、最も低い地域での開発に着手する。素材開発と同様にビナテックスとの連携強化を活用する。

 生産拠点としてのベトナムへの注目が依然として高まっていることが背景で、ビナテックスとの業務提携は、パートナーシップを結ぶ傘下企業グループ数を1月に拡充する形で強化している。こうした基盤を生かし、2017年度(18年3月期)は、競争力を持った国内一貫対応の構築を課題とする。

 内販向けのODM機能も、対日や第三国向け製品ビジネス向けに開放し、3月にはサンプルルームも構え、企画提案から生産までのスピード向上にも取り組む。