東レ 産業資材事業部/3年間で10%以上増収/輸出拡大や加工度向上で

2017年02月20日 (月曜日)

 東レの産業資材事業部は3年後の2019年度に、16年度比10%以上の増収を計画する。輸出の拡大や加工品・2次製品など加工度を高めることに取り組む。

 輸出拡大は、世界5拠点生産を行うエアバッグ布や中国輸出が主力のポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維以外でも「当社として付加価値の取れる素材で欧米市場を開拓する」(萩原俊彦産業資材事業部長)計画。エアバッグ布やPPS繊維を除いた輸出比率は現状、売上高の数%に過ぎないが、これを10%以上にまで引き上げる。特に耐熱、耐久、遮熱、難燃、融着、導電、中空などの差別化素材をニッチ分野で開拓する。

 その一環として、5月9~12日、ドイツ・フランクフルトで開催される世界最大の産業繊維・不織布の国際見本市「テクテキスタイル」にも出展する。

 輸出を含めて加工度も高める。PPS繊維と米国子会社のゾルテック製耐炎繊維を組み合わせた遮炎ペーパーもその一つ。「原料販売だけでなく、当社が有する加工ノウハウも組み合わせて、製品展開も視野に付加価値を高める」戦略で、増収を図る。

 原糸生産では中核である岡崎工場と海外の主力であるタイのタイ・トーレ・シンセティクス(TTS)の生産品をすみ分けるなど最適生産を進める。

 産業資材事業部の2016年度はPPS繊維が苦戦し、産業用ポリエステル長繊維も量的には厳しいものの、ナイロン66使いエアバッグ布が好調。

 ポリエステルスパンボンド不織布「アクスター」も主力の土木建築資材やフィルターなど堅調に推移している。