複合SB、MBから撤退/東洋紡、SB4号機に全力

2001年08月03日 (金曜日)

 東洋紡は今年9月末で複合SB(スパンボンド不織布)とMB(メルトブロー不織布)から撤退する。複合SBはレギュラーを芯、低融点ポリマーを鞘に配した芯鞘ポリエステルSB。岩国工場に年産1000トン(1メートル幅)の設備を置き、「バルコンポ」のブランドでルーフィング基布、タイルカーペット基布などで市場開拓に取り組んでいた。一方、MBは同工場に年産120トン(1・3メートル幅)の設備を置き、「シャンファイン」のブランドで、ポリプロピレン、ポリエステルを原料に、フィルターなどへ展開していた。

 しかし、両不織布とも事業化以来、赤字状態が続いており、02年秋に同工場で稼働予定のSB4号機(年産6000トン、3・2メートル幅)の立ち上げに全力を挙げるために撤退を決めた。両設備とも廃棄する見通しで、従業員はSB4号機の生産で吸収する。

 ただ、複合SBは一時的な撤退となるものの、SB4号機は生産スピードが早く、均整度が高いだけでなく、複合SBも生産可能な仕様となっており「バルコンポ」で培った技術を生かして引き続き用途開拓を進める考えだ。