帝人フロンティア/機能素材で製品企画まで/市場創るアイデア提案
2016年12月27日 (火曜日)
帝人フロンティアが自社生産の機能素材を使った製品までの企画提案を強化している。一般衣料での機能性付与に対するニーズを、企画提案まで踏み込んで訴求し、OEM(相手先ブランドによる生産)、ODM(相手先ブランドによる企画・生産)の獲得につなげる狙い。ビジネスウエアや和装、インナー分野に向け、製品企画の商標登録やトータルブランド展開を加速している。
11月中旬に開いた17秋冬向け展示会ではポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」、ファッション衣料用高バランス素材「イルム」を使った重衣料企画を提案した。重衣料は同社の製品ビジネスが得意とする分野。ソロテックスのストレッチ機能、形状記憶機能を生かした企画として披露した。機能ごとに「ムーブ・イット」「パック・イット」というコンセプトを付けたブランディングも本格化する考えで、商標登録も進めている。
デサントやトリンプとの連携も広がる「ラフィナン」も化粧品ウエアとして製品まで手掛けるものだ。リンゴ酸を配合した素材が使われており、肌を健康な状態とされる弱酸性に保つ機能を持つ。国内で初めて衣料製品型の化粧品として打ち出し、一般消費者からの問い合わせも多く、反響が大きいという。
ビジネスウエアの企画提案は自転車通勤、海外出張用などビジネススタイルの多様化やイージーケア要望の高まりを踏まえたもの。ラフィナンと同様に機能素材を使ったアイデアや新市場の創出を狙って打ち出している。素材起点で差別化を図る中で、使い方となる製品企画をブランディングと組み合わせてアピールすることによって、存在感や認知度の向上を図る。