チンテ・テクテキスタイル/東洋紡とユニチカ初出展/中国・上海で今日開幕

2016年10月12日 (水曜日)

 産業用繊維・不織布の国際見本市「チンテ・テクテキスタイル・チャイナ」が12~14日、中国・上海市の上海新国際博覧センターで開催される。今回展には日本から東洋紡、ユニチカ、アキレスの3社が出展する。日本の合繊大手が出展するのはほぼ初めてとなる。

 チンテはドイツ・フランクフルトで開催される「テクテキスタイル」の中国版で、2年に1度の開催。これまでドイツ・テクテキスタイルには継続出展する日本の大手合繊メーカーは多いが、チンテにはほとんど出展していなかった。そのチンテに今回、東洋紡とユニチカが初出展する。

 東洋紡はポリエステルスパンボンド不織布(SB)と高機能アクリル繊維を出品する。ポリエステルSBではトノカバー(自動車の荷室の目隠しカバー)用の塩ビレザー代替素材「カテナ」「モデナ」を提案する予定。カテナ、モデナは中国企業での委託生産を本格化しており、中国自動車メーカーの採用が始まった。

 前回は、チンテに出展した委託生産先のブースに出品したが、中国生産・販売の本格化から「中国内販拡大の好機」(田中茂樹スパンボンド事業部長)と捉え、単独ブースでアピールすることにした。

 現在、SBの中国販売比率は全体の十数%だが、「海外販売を増やす中で、比率は変わらないが、絶対額は伸ばす」考えだ。

 高機能アクリル繊維はAP事業部が手掛ける高吸水性繊維「ランシール」、吸放湿繊維「モイスファイン」、高吸湿発熱繊維「モイスケア」などを出品。同事業部の中国比率は20%だが、中期的には40%にまで高める戦略を組み、長期出張の形で現地法人、東洋紡新鋭〈上海〉貿易に専任担当も置く。

 ユニチカは不織布、産業繊維、ユニチカトレーディング(UTC)のグループで出展し、「中国内販の強化に加え、国際展としてのチンテに来場する欧米企業の開拓にも取り組む」(UTCの中山進グローバル戦略営業室マネージャー)。

 不織布はSBや綿100%スパンレース不織布「コットエース」、産業繊維ではビニロン長繊維による三軸メッシュ「トリネオ」(コンクリート剥落防止用)を出品。さらにポリ乳酸「テラマック」の3Dプリンター用モノフィラメントなども提案する。UTCは産業資材用の中国販売は少ないが、出展を通じて新規顧客開拓につなげたいとの意向。同展では防獣ネットなどに使う熱融着ポリエステル長繊維「メルセット」や靴資材で中国輸出が伸びる熱融着ナイロン長繊維「フロールM」を紹介するほか、吸放湿ナイロン長繊維「ハイグラ」、異型断面による吸水速乾ポリエステル長繊維「ルミエース」など衣料用素材も提案し、産業資材用への転用も模索する。

 両社は12日に開催されるセミナーにも登場し、東洋紡は「日本の不織布傾向」、ユニチカは「日本のスパンレース不織布傾向」について講演する。