「AFF・東京2016」閉幕/中国生産の存在感示す/企業間競争の激化も

2016年10月03日 (月曜日)

 「AFF・東京2016」が9月30日、閉幕した。2日目の来場者数は初日を100人ほど上回る1400人。午後はリピーターの来場も重なり会場がにぎわった。次回は2017年2月21~23日に行われる「AFF・名古屋2017」。名古屋市中小企業振興会館吹上ホール(名古屋市千種区)で開かれる。

 2日目の午後は、ほとんどのブースで商談する風景が見られた。「状況確認に来た」と話す専門商社の来場者は、「中国は懐が深い。狙いたい商材を得意とする取り組み先はまだあるはずで、そうした工場を探すのを毎回、楽しみにしている」と語った。

 メンズスーツ工場を見に来たというユニフォームアパレルの来場者も、「ロット対応力や原料、副資材のインフラが整備されている中国から、移せない案件がある」と語るなど、中国生産の揺るぎない存在感を指摘する声が少なくなかった。

 そして「日本のマーケットニーズに沿った出展内容になった」と語る、同展を主催した日中経済貿易センターの山田寧専務理事に、今回展を振り返ってもらった。

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  ――今回展の特徴をどのように感じましたか。

 「小ロット対応できます」などと手書きしたステッカーを張り出して、自社の強みを視覚的にアピールするブースが目に見えて増えました。「ペンとステッカーが余っていないか」と事務局に来るケースも多く、日本のマーケットニーズ対応できる出展者が集まったと感じます。逆に言うと、生き残るために企業間の競争が激化しているということかもしれません。また、特に2日目の午後から来場者が集中し、3日目は受付開始時間前から、来場者と商談する場面も見られました。

  ――次の「AFF・名古屋2017」は来年2月下旬の開催になります。

 17秋冬シーズンの提案に当たるタイミングで、出展者からの要望が強かったので、この時期での開催になりました。展示も秋冬商材に特化したものになる予定です。継続開催を求める声が多いので、名古屋での開催を定着させたいですね。

  ――AFFの今後の方向性は。

 中身の濃い内容にしていく必要があります。例えば、東京展の出展企業は、首都圏に駐在員事務所を設けるケースが増加しており、AFFをうまく活用して顧客を増やしたりしています。このようにビジネスの機会をしっかり創出できる場にしたい。それは中国企業だけでなく、来場者に向けても同様で、例えばブランド輸出のビジネスマッチング機会やセミナー、情報交換会の場を設けるなど、双方に役立つサポート機能を考えていきたいと思います。