伊藤忠/モードパルと生販で連携/百貨店アパレルOEMで
2016年07月25日 (月曜日)
伊藤忠商事は百貨店アパレル向けの製品OEM(相手先ブランドによる生産)・ODM(相手先ブランドによる企画・生産)で販売力を強化する。グループ企業の伊藤忠モードパルと組み、生産拠点を共有していくとともに、顧客も相互誘導する。
今月中旬に開いたアパレル総合展では百貨店アパレル向けを担当するファッションアパレル(FA)第二課が伊藤忠モードパルと共同でブースを構えた。初めての試み。顧客を相互誘導することで取り組みの幅出しを狙う。
伊藤忠モードパルは布帛で有力顧客との取り組みがあるほか、8割を国内縫製で調達している。
市況が低迷するなか、初回の発注枚数を決めるのが難しく「オーダーがなかなか決まらない傾向を見込む」(FA第二課)ため、国内の生産背景をグループ全体で強化することでQR供給ニーズに対応できるメリットも期待する。
伊藤忠モードパルでもFA第二課が抱える東南アジア諸国連合(ASEAN)地域での豊富な生産背景を共同活用するなどでシナジーを見込む。また、本体の機能を利用した高付加価値素材の拡充にも取り組む考え。17春夏向けでは、繊維原料課が扱う接触冷感綿とキュプラ繊維の複合素材「アイスコットンプレミアム」や、北陸テキスタイル課が開発した天然繊維調合繊織物、トリアセテート使いなどの国産素材を差別化要素にする。
また、百貨店アパレル向けではODM提案に注力している。とくに展示会では話し込みの土台となる製品サンプル企画に力を入れ、ボディの展示は半年前の13体から20体に増やした。17春夏では表面変化とハリ感のある素材を使ったセットアップのほか、ブラウス、トップスを中心に構成した。