三菱レイヨンが買収/新日鉄化学のプリプレグ事業
2001年07月12日 (木曜日)
三菱レイヨンは11日、新日鉄化学のプリプレグ事業の生産設備、販売権などを譲り受けることで合意したと発表した。プリプレグは炭素繊維に樹脂を含浸させた中間素材で主に航空機、産業用途、スポーツ用途に使用される。
新日鉄化学の生産設備は8月中旬に三菱レイヨンの豊橋事業所に移設され、今秋には稼働する予定だ。設備集約により三菱レイヨンのプリプレグの生産能力は300万平方メートルから400万平方メートルに拡大し、同社は新日鉄化学が得意としていた産業資材用途での拡大を図る。
三村公二専務・上席執行役員は「新しく成長する分野の成長スピードを加速させたい」と狙いを語り、「炭素繊維シェアでは東レ、東邦テナックスレーヨンに次ぐ3位。今回の譲り受けにより1位を取る体制を取りたい」との考えを示す。
三菱レイヨンでは中期経営計画で02年の稼働をめどに日米拠点合計で1300トンの増強を発表している。03年には産業資材需要の拡大により需給バランスが均衡すると見ており、今回の譲り受けに至った。