帝人 南通の織物事業拡大/第一合繊進出意向固める 婦人服用中肉厚地生産へ
2001年07月02日 (月曜日)
帝人は衣料用ポリエステル繊維事業改革「テトロン・グローバル・ストラテジープラン(TGSプラン)」の一環で中国でのポリエステル長繊維織物生産を拡大する。全額出資子会社、南通帝人(NTC)では現在、ウオータージェット織機(WJL)80台の増設工事が進んでいるが、さらにレピア織機30台を増設する。主力生産チーム(PT)の一つである第一合繊(新潟県見附市)も帝人の要請を受け、南通に進出する意向を固めた。
NTCの織布部門はWJL356台・レピア62台で、婦人用を月7000疋、裏地用・スポーツ用を同4万3000疋生産している。染色部門には裏地5万疋、表地用(ニット含む)2万疋の能力があり、不足分は日本から生機を調達して補っている。
今回のWJL、レピア増設で織布能力は7万疋弱になり、既存染色能力とほぼ釣り合うが、さらに現在2系列の表地用染色を1系列増設する計画。
この染色増設部分への生機供給のため、第一合繊と田中忠(福井県鯖江市)、稲山織物(同大野市)に南通進出を働きかけてきたが、まず第一合繊との間で基本合意に達し、新会社の設立認可申請を準備する段階に入った。
新会社は第一合繊と帝人とが出資し、マジョリティーと経営権は第一合繊が持つ。NTCの敷地内に建設する工場に休止しているスルザー織機(2幅)36台を持ち込み、中肉厚地織物を月4000~4500疋生産する予定。NTCの婦人用織布工場は第一合繊が技術指導した経過もあり、比較的スムーズに話し合いが進んだ。「月産1万2000疋の国内生産と住み分けを図って、帝人テキスタイル事業のグローバル展開強化の一翼を担う」(近藤慶一社長)考え。
帝人はテキスタイル事業でNTC以外にタイ・ナムシリの増設も視野に入れているが、国内生産は10~15%縮小する見通し。「全額出資子会社の和興、安原織物で生産する裏地などが中心になり、資本関係がないPTの生産規模はほとんど減らない」(松田勇上席専務執行役員・衣料繊維事業グループ長)という。