東レ合繊クラスター/実売できる素材提案を/きょうまで総合展

2015年06月24日 (水曜日)

 東レ合繊クラスターはきょう24日までの2日間、「第6回東レ合繊クラスター総合展」を、東京都港区のスパイラルホールで開催している。2015年度は輸出を含めた出口戦略の強化を方針とし、総合展でも「実売できる素材提案」(池田哲夫マーケティング推進部会長=小松精練社長)へと出展点数を約300点(前回500点)に絞り込み、価格も平均1~2割下げた。

 荒井由泰広報部会長(ケイテー社長)は「5日の総会で出口戦略としてマーケティング活動の重視を打ち出した。総合展で吸い上げた市場ニーズを、新素材開発につなげる。再編した技術系分科会との連携も強化する」と、マーケット・インの活動をより推進していく。

 総合展では「匠のものづくり。プレミアム繊維はじまる」をテーマに、「ファッション」「ユニフォーム」「スポーツ」「インテリア」と4つのスペースに会場を分けた。軽量の環境配慮型熱可塑性セルロース複合素材「イノリスLT」、麻調ポリエステル素材「パリネ」、環境配慮型ストレッチ素材「ヴァーチャレックス」のほか、ユニフォーム向けには白せん菌対応素材や高視認性安全服向け素材を提案。インテリア向けも80点出品し、遮音、遮熱、防蚊といった機能を紹介した。

 9月にパリで開かれるインテリア&デザイン見本市「メゾン・エ・オブジェ」の小松精練のブースでこれらインテリア素材も出品するほか、「ミラノ・ウニカ」展にもクラスター会員8社が出展する。

 池田部会長は「バーチャルカンパニーとして製造出荷額が100億円を突破した。しかし、市場により近い素材にするには価格も積み上げ方式ではなく、マーケットプライスを意識しないといけない。また、国内展開と海外輸出をどう結び付けるかも課題」と、さらにブラッシュアップしていく考えだ。