帝人/超軽量天井材「かるてん」/公共建築に初の本格採用
2014年10月14日 (火曜日)
帝人が開発した超軽量天井材「かるてん」が東京工業大学(東京都目黒区)の屋内運動場トレーニングルームの天井仕上げ材に採用され、9月に施工が完了した。同製品は、天井脱落対策工事の一環として安全性向上のために採用されたが、公共構造物への本格採用はこれが初めてとなる。
対策工事は、4月施行の国土交通省告示で特定天井(脱落によって重大な危害を生じる恐れのある天井)の脱落防止措置の条項が加わったことを受けて行われたもの。施工に当たって、下地材には共同開発を進めてきた建築用鋼製下地材メーカー、桐井製作所の「新耐震Full Power天井」が採用された。
かるてんの基布は帝人のポリエステル製縦型不織布「V―Lap」。従来の石こうボード製に比べて柔らかく、重量も1平方メートル当たり0・7キロと約10分の1で、落下時の安全性を確保。吸音性や断熱性にも優れるほか、使用済みペットボトルを用いたマテリアルリサイクル繊維で、接着剤も使用せず環境にも優しい。
今後、質量が1平方メートル当たり2キロ超の天井材として販売するが、特徴である軽さを最大限に生かすため、特定天井の対象外となるそれ以下の質量の天井に向けても下地材を含めて開発を進める。