帝人 鈴木社長/中国事業の拡大に意欲/20年には3~4倍へ

2014年04月21日 (月曜日)

 【上海支局】帝人の鈴木純社長は17日、中国江蘇省南通市内のホテルで会見し、「20年前に南通帝人を設立した当時、中国は生産地ととらえていたが、今では成長する巨大市場だ」と語り、現状で年間約1100億円の中国事業を2020年前後には3~4倍に増やす考えを明らかにした。

 鈴木社長は中国での有望な事業としてポリエステルのケミカルリサイクル、エアバッグ、高機能繊維、水処理などを挙げた。精工控股集団との合弁で浙江省紹興市に設立したリサイクル・ポリエステル繊維製造・販売の浙江佳人新材料は、年産能力2万トンで今年中に稼動する予定。「ケミカルリサイクルは究極のエコだが、コストがかかる。コストに見合う価値を認めてもらうには、どんな商品がいいのかを南通の商品開発センターで研究していく」計画で、増設も視野に入れる。

 成長が鈍化している中国経済については「成長の途上での踊り場で、ひずみもあるが、現政権はうまくコントロールしていくだろう。リスクは踏まえながら、投資と事業拡大を進めたい」と述べた。