東レ/欧州で産資生地製造検討/英、チェコ子会社連携で

2013年07月18日 (木曜日)

 東レは、欧州での一般産業資材用テキスタイルの製造販売を検討している。「一般産業資材は先進国が主要マーケットになるが、これまで欧州における同分野の取り組みは弱かった」(永島健司産業資材事業部長)として、中期的に英国、チェコ子会社のインフラを活用しながらテキスタイル展開という新たなビジネスモデルを確立し、欧州販売の拡大を目指す。

 自動車資材を除いた一般産業資材の欧州販売は「点にとどまっている」の現状。しかし、今後の規模拡大には「素材販売だけでは限界がある。テキスタイルをベースにしたビジネスモデルが必要」として、英国のトーレ・テキスタイルズ・ヨーロッパ(TTEL)、チェコのトーレ・テキスタイルズ・セントラル・ヨーロッパ(TTCE)との連携を強化する形で、欧州での一般産業資材用テキスタイルの製造・販売を検討する。

独・テクテキで総合力アピール

 同社は欧州販売拡大の一環で、6月11~13日、ドイツ・フランクフルトで開催された産業用繊維・不織布の国際見本市「テクテキスタイル2013」にも出展した。

 同展への出展は7回目になるが、展示スペースを前回(11年)よりも拡大。欧州市場を意識して環境、機能素材、そして次世代自動車という3つのコンセプトでブースを構成した。

 さらに、産業資材事業部、東レ・モノフィラメント、繊維グリーンイノベーション室、米国のフッ素繊維製造子会社のトーレ・フロロファイバーズ・アメリカ(TFA)の5部署による総合展示という初の試みも行い、総合力をアピール。約20件の事前アポイントがあるなど、商談重視の出展だが「来場者の反応も良好で、情報発信の場としてテクテキスタイルは重要。今後も出展を続ける」考え。

 同展ではブース全面に展示した自動車資材や次世代型電気自動車「TEEWAVE AR1」ビデオ放映などが関心を集めたほか、バイオ繊維など環境関連や高機能モノフィラメントや耐熱性ではなく、摺動性を生かしたフッ素繊維などへの引き合いが活発だったという。