帝人フロンティア/14春夏衣料総合展開く/統合の相乗効果打ち出す
2013年06月24日 (月曜日)
帝人フロンティアは20日まで、東京都渋谷区の原宿クエストホールでファッション衣料総合展「スピリット・オブ・フロンティア2014春夏」を開催した。昨年10月に同社が発足して2回目の総合展。商社機能とメーカー機能を一体化したグローバルコンバーターとして婦人、紳士、ニット、インナーのファッション衣料を素材から製品まで総合的に提案した。ポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」を中心に製品約300点、素材約250点を紹介した。
同社が第1回目のファッション衣料総合展を開いたのは昨年12月。帝人ファイバーとNI帝人商事のアパレル事業統合という会社紹介的な意味合いが強かった。今回は「婦人だけでなく、紳士やニット、さらにインナーまで分野を広げ、かつ素材から製品まで総合的に提案した商談会」(北準三衣料営業企画部長)となった。
素材はソロテックスを使用した天然繊維との複合素材が中心。ポリウレタンのストレッチ素材は多いが、「ソロテックスはポリウレタン使いよりも軽く、ソフトな風合い。キックバック性にも優れる。原料の37%弱にトウモロコシ由来の1・3プロパンジオールを使用するエコ性もある。今の時代性にマッチした素材」という。
ソロテックスの長繊維だけでなく、短繊維も投入。綿、リネン、レーヨン、カシミヤなどとの混紡を打ち出した。カシミヤ混のストールはソフトさが際立ち、新会社設立によるシナジーで初めて生まれた素材ともいえる。
また、複合特殊ニット素材「サリア」、シワ感を自在にコントロールできる「サイネックス」、梳毛調素材「フルフラン」、ソフトで肌触りのいい「イルム」、汗冷え防止の「トリプルドライカラット」、吸汗速乾の「カルキュロ」と「アクアリード」などを出品。新素材としてトリアセテートとの複合によりソフトでナチュラル、吸水速乾性も備えた「リネード」、ハイパーストレッチ素材(名称未定)も披露した。
製品提案でもメンズコーナーでは自転車通勤、出張時の移動、クールビズという3つのビジネスシーンを想定した新しいビジネスファッションを提案した。
さらに産地コーナーでは米沢、新潟、尾州、北陸の約15社の協力を得た素材を展示。「市場は一格上の商品を求めている。当社独自のオリジナル性を訴求していく」考えだ。