テクテキスタイル/日本の新素材に関心/超薄不織布から炭素繊維まで

2013年06月14日 (金曜日)

 【フランクフルト=西田貴夫】11~13日、ドイツ・フランクフルトで開催された世界最大の産業用繊維・不織布の国際見本市「テクテキスタイル2013」で、日本の出展各社は商談重視の一方で、新素材も提案し来場者の関心を集めた。

 旭化成せんいはポリエステルSMS(スパンボンド=SBとメルトブローの複合不織布)「プレシゼ」の進化版「スーパープレシゼ」を持ち込んだ。機能紙に一段と近付いた同不織布で電池セパレーター向けの開拓を狙う。

 また、人工スエード「ラムース」では、ポリエステルSBと組み合わせたフィルターを初披露したほか、ポリウレタンを使わない人工スエードも提案した。

 カネカはモダクリル繊維「カネカロン」による機能繊維を打ち出した。難燃性が特徴のカネカロンを改良し、イオン交換繊維、キレート繊維を水処理用に提案。ビーズ状のイオン交換樹脂やキレート樹脂に比べて、表面積が大きく、吸着スピードも早く、加工できるなどの特徴を訴えた。

 帝人はポリエステル短繊維をベースに加工品をメーンに提案したが、その一つが長繊維不織布製造子会社、ユニセルが新開発した熱接着不織布を初披露。2メートル幅での生産が可能なことから自動車内装材向けの展開を見込む。

 小松精練はこの3~4年開発を進めてきた熱可塑性樹脂による炭素繊維複合材料を発表した。ロッド、シート、メッシュなどの様々な形状で展示した。

 なお、主催者のメッセ・フランクフルトによると、初日の来場者数は9252人と前回(11年)を約2割上回っているという。