東レ合繊クラスター/15年度に100億円へ/海外市場販売に挑戦
2013年06月11日 (火曜日)
東レと北陸産地を中心とする繊維企業で組織する東レ合繊クラスター(会長=中山賢一小松精練会長、会員94社)は7日、福井市内で第9回定時総会を開き、広報、購買・物流、人材育成部会の強化とともに、海外市場開拓を加速する方針を決め、2015年度にクラスターの「製造品出荷額」を100億円とする目標を新たに定めた。
同クラスターは04年11月に設立、9年目を迎えた。昨年は組織を再編し、従来のマーケティング部会と営業企画分科会を一本化した「マーケティング推進部会」(部会長=池田哲夫小松精練社長)と、6つの技術系分科会の上部組織として「技術・素材開発部会」(同=松木伸太郎サカイオーベックス社長)の2部会を新設。両部会を中心に商品開発と実商売につなげる活動を活発化した。
クラスターの12年度製造品出荷額は68億円で、前年度の61億5000万円から10%増えたが、目標の80億円を大きく下回った。68億円のうち衣料用が70%、資材その他30%の構成だった。中山会長は「スポーツ分野で欧州向けを伸ばそうとしたが、為替、市場など景気情勢で思惑違いがあって目標達成は今年に持ち越すことになった」と総括した。
今年度は改めて80億円の出荷額を目標とする。購買ではカセイソーダなど助剤分野での共同購入、人材育成では東レのプログラム導入などを実施、クラスター事業を下支える活動を強める。中山会長は「海外展開に挑戦したい。クラスターというバーチャルカンパニーの真価が問われる局面にあり、昨年以上の成果を導き出したい」と強調した。