「真鍋路線 継承せず」クラボウ新社長が抱負
2001年03月28日 (水曜日)
六月二十八日付で社長就任が内定したクラボウの丹羽ヒロシ常務は二十六日、真銅孝三社長とともに、大阪で会見し「あえて抱負を語るならば真銅路線を継承しないこと」と述べ、様々な環境変化に対応して柔軟に事業戦略、戦術を変える考えを示した。
この時期での社長交代発表について、真銅社長は「四月から中期計画『CP(チェンジ&プログレス)21』がスタートすることから、二十一世紀のリーダーは誰かハッキリさせるべきと判断した。しかも社長業は体力、気力もある五十代の方が良い」と述べ、そのうえで丹羽常務を後継に選んだ理由との問いに対し「変革の時代には大胆に変革する必要があり、丹羽常務ならば、これまでやってきたことを大胆に否定してくれるだろうし、そのリーダーシップもある」との期待を寄せた。
丹羽常務も「これまで真銅社長から『前任者と同じことはするな』と指導されてきた。もちろん、経営思想や経営哲学は変えるものではないが、戦略、戦術は常に変わるべきであり、『CP21』はとにかく変わることがキーワード」と真銅路線を継承しない考えを強調した。
また、繊維事業については「当社の祖業としてしっかりと守っていく。逆に非繊維は輸入との競合もなく、繊維に比べれば環境面で恵まれており、さらにスケールアップ、スピードアップして事業規模を拡大させる」方針。設備投資も償却もピークを過ぎたことから「必要なものは繊維、非繊維に限らず行う」との考えも示した。