14春夏これが、イチ押し・合繊スポーツ素材(1)東洋紡STC「アクアオフ」カラー/フルダルで鮮やかな色彩

2012年12月17日 (月曜日)

 11月後半から12月中旬まで、合繊メーカーのスポーツ素材展の開催が相次いだ。スポーツ素材展は他用途に比べると対象とするシーズンが半年早く、今は14春夏向け。スポーツアパレルは13秋冬企画が終了したところだが、2~3年前から展示会は早期化しているという。

 期近対応のファッション衣料とは異なり、スポーツアパレルが時間を掛けて素材企画を詰めていきたい表れなのかもしれない。逆に言えばそれだけ素材にこだわりがあるということだ。そして、それに応える機能素材を開発する力が日本の合繊メーカーにはある。スポーツアパレルが思わずピックアップしたくなるような、各社イチ押しの14春夏向けスポーツ最新素材を追う。

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 「酸化チタンを練り込んだフルダルポリエステル長繊維でも鮮やかな色彩」。東洋紡スペシャルティズトレーディング(STC)が開発した「アクアオフ」カラーの特徴だ。

 春夏向けポリエステル長繊維は酸化チタンを練り込み、紫外線遮へいや透け防止などを付与する手法が一般的。しかし、酸化チタンを練り込んだフルダル糸は、色が出にくい。白では黄ばむなどの欠点がある。

 アクアオフカラーはこれを解消した。原糸は十字が2つくっついた特殊な断面形状にすることで、可視光線の乱反射が起こりやすくなり、目に映りこむ白色反射光が強くなるため、白の黄ばみを解消。また、特殊断面により糸の表面積が丸断面の10倍になる。これによって、染料の吸着量が増加。特殊な染色加工法と組み合わせることで、色の深みを増している。

 また、酸化チタンの含有量はレギュラー糸と同じでも異型断面糸がかみ合うことで、フルダル糸が持つ紫外線遮へい、透け防止性能も向上する。毛細管現象による吸水速乾性も有している。