東レ香港/東南アで縫製力強化/13年にはインドネシアも

2012年10月17日 (水曜日)

 【香港=溝川彰】東レ香港は東南アジアでの縫製力の拡充を進めているが、東レインターナショナルと共同で、インドネシアにインナーウエア、ポロシャツなどのニット縫製拠点を設ける方向で検討に入った。中国生産を維持しながら東南アジアで拡充し、全体の取扱量を拡大する。

 同社は2005年に中国・珠海の縫製工場を買収し、インナー、ポロシャツを中心に従業員2500人、ミシン2000台規模の工場に育成、THKアパレルとして対日、対欧米、中国内販拠点に位置づけている。また中国では青島即発集団との合弁事業であるTHK即発青島アパレル(TJQA)を抱える。

 09年にはバングラデシュにTMテキスタイル&ガーメンツ(TMBD)を設立、インナーウエアを中心とする編み・染色・縫製一貫工場として運営し、軌道に乗せた。

 これらニットを中心とする生産基盤をさらに強固にするため、インドネシアでの製造拠点確立の検討に乗り出したもの。13年中の稼働開始を目指す。

 同社の縫製品事業は対日輸出を中心に中国内販、欧米向け輸出とグローバルに展開中。東レグループのアジア各地での原糸生産力を背景にニット地、染色、縫製を垂直的につなぐオペレーションに特徴がある。取り扱いのうち中国生産比率は10年に80%だったものが11年に70%に低下、今年はさらに50%に比率を下げる見込みだ。

 「中国生産の絶対量が減っているわけでなく、生産を維持しながらベトナムやバングラデシュで増やしている」(三木章行社長)もので、バランスの取れたチャイナ・プラスワンを目指す。