日岩帝人商事〈香港〉/欧州新規、日本向け強化/ベトナムでの生産に注力

2012年03月23日 (金曜日)

 日岩帝人商事〈香港〉は今年「欧州の新規、日本向けの拡大で前年並みの売上高を目指す」(治田兼一董事長)考えだ。生産地としては引き続きベトナムに注力していく。

  (香港で中西俊行)

 同社はアパレル製品、生地、化成品などを扱う。主力は製品事業でその約半分を欧州向けが占め、残りは日本向け、米国向けが半分ずつ。欧州の既存客は「昨年の10月くらいから次シーズンの商談への食いつきが悪い」(治田董事長)と言う。

 決算期を12月から3月へ変更するため2011年1月~12年3月の15カ月決算だが、11年(1~12月)と10年を比較すれば増収増益となった。治田董事長は「欧州向けが落ち込み始めたものの、日本向けが増えた」と説明する。

 日本向けでは「しっかり取り組める先とのパイプを太くした」ことで、効率もよくなり、利益面でも貢献した。

 同社はベトナムを主力に生産している。NI帝人商事の事務所に同社のQC担当者を約10人置いている。一部の販売先に向けてはカンボジアでの生産も昨年から開始。治田董事長は「価格より品質を重視している販売先が多いことから、まだまだベトナム生産は拡大が続き、品質管理の重要性が増す」とし、同国での管理体制を強化していく。

 帝人ファイバーとNI帝人商事の衣料繊維事業統合に伴い香港でも事業の統合を予定するが「生地から製品までの商売が一緒に提案できる」と相乗効果に期待する。