ユニチカトレーディング/難燃、感染防護服に参入/「プロテクサ」立ち上げ
2011年12月08日 (木曜日)
ユニチカトレーディングのユニフォーム営業部は、このほど新たに難燃、高視認、感染防護など安全を切り口にした素材ブランド「プロテクサ」を立ち上げた。とくに難燃素材で防炎作業服などに参入する計画だ。また、感染予防衣素材では不織布製感性防護衣の市場を攻める。
プロテクサは、危険業務従事者向けユニフォームを対象に安全性を訴求する機能素材の新ブランド。今回は難燃素材「プロテクサ―FR」、高視認性素材「プロテクサ―HV」、感染防護衣素材「プロテクサ―PS」をラインアップした。
プロテククサ―FRは、同社の難燃ビニロン「ミューロンFR」と綿の混紡生地。難燃性の指標となるLOI値(限界酸素指数)はミューロンFR70%・綿30%で27を確認している。接炎しても溶融せずに炭化するため、皮膚に融着して火傷しにくい。また親水性繊維であるビニロンと綿の混紡素材のため、着用時の着心地に優れ、家庭洗濯で容易に汚れを落とすこともできる。
難燃作業服では、ハイスペックゾーンでメタ系アラミド繊維使いが使用されているが、吸水性が無いことによる着心地の悪さや、高価格、供給量に限界がある点から、アラミド繊維使いほどハイスペックが要求されない作業現場では難燃モダクリル・綿混紡生地や綿100%難燃加工生地などの作業服が広く普及する。プロテクサ―FRは、こうしたゾーンに、難燃ビニロンで参入しようという試みだ。
プロテクサ―PSは、透湿防水生地に使用する高密度ナイロン織物でウイルスバリアフィルムをサンドイッチラミネートすることで血液やウイルスに対するバリア性を実現した。
血液バリア性は米国のASTMF1670基準をクリアし、国際基準ISO16603、日本工業規格JIST8060で最高評価のクラス6の性能を確認する。ウイルスバリア性もASTMF1671基準をクリアし、ISO16604、JIST8061もクラス6を確認している。また、制電糸も織り込み、様々な精密機器を使用する救急現場で求められる高い制電性を備える。
感染防護衣分野では、不織布製使い捨て防護服が一般的に使用されているが、汚染された使用済み品の廃棄処理が大きな問題となる。これに対してユニチカトレーディングでは、プロテクサ―PSによって、使い捨てではない感染防護衣の有用性を訴求する。
プロテクサ―HVは、ポリエステル100%による高視認性素材。まずは蛍光オレンジと蛍光イエローの2色を開発した。高視認性素材の課題である耐光堅ろう度は5級を確認。これは安全服に関する欧州基準EN471の定める4級を上回る。今後、日本でも需要拡大が予想される高視認性安全服・製品用途で期待の新素材だ。