伊藤忠システック/ナノファイバー設備披露/韓TOPTEC製量産機

2011年05月26日 (木曜日)

 【フランクフルト=西田貴夫】伊藤忠システックは、世界の販売代理店権を先月取得した韓国TOPTEC社のナノファイバー不織布設備を「テクテキスタイル2011」で初披露した。同展にはTOPTEC社との共同出展で、試験設備を展示するとともに、原反サンプルを出品。パネル展示で同設備の優位性をアピールした。

 TOPTEC社のナノファイバー不織布設備は信州大学繊維学部との共同研究によるもので、世界初の量産化設備。エレクトロスピニング法によるナノファイバー不織布は量産化が難しかったが、同設備は従来のドラムやワイヤー型ではなく、ノズル型を採用するとともに、ノズルの欠点である詰まりも解消。製品1・8メートル幅で均一な数十~数百ナノによる不織布を生産できる。生産スピードは使用原料にもあるが、毎分80メートル。

 ウレタン原料による透湿防水膜やナイロン使いのフィルターなど向けから販売をスタートするものの、リチウム電池セパレーターや細胞培養基布など研究段階では可能。「テクテキスタイル展で世界の反応を見る」(伊藤忠システック電池・加工機械部の小林弘志マネージャー)としていたが、初日から数多くの来場者が訪れるなど、ナノファイバー量産機に対する高い関心が寄せられていた。