中国パワーで回復/日本の繊維機械輸出(1)TMTの合繊製造機/来年9月まで満杯
2010年04月26日 (月曜日)
回復が最も顕著なのは、合繊製造機だ。東レエンジニアリング、村田機械、帝人製機(現ナブテスコ)の合繊機械メーカー3社の共同出資で2002年に設立されたTMTマシナリーの10年度売上高は、「このまま中国市場に何もなければ過去最高になる」(三木勝策副社長)見込みだ。
世界同時不況のあおりで同社も、09年度上半期(4~9月)は営業赤字を余儀なくされた。しかし、回復の兆しは出ていた。09年の初めから、高速自動巻取機(テークアップワインダー)への注文が中国から増え始めた。このころの注文はナイロン製造用の巻取機に対するものだった。同年3月には、仮撚機への注文も中国から増え始める。
同年10月に入ると、ポリエステル製造用の巻取機への注文も中国から増え始めた。同社の巻取機月産能力は400台。今年1月の実生産は200台だったが、3月からはフル稼働に入った。
昨年の日本のポリエステル年産量は約30万トン。中国からの注文は、1社あたりでもそれを上回る40万トン規模だ。中には、140万トン規模の注文もある。10年1月から11年6月までに同社が出荷する巻取機の年産能力を合計すると実に400万トンに達する。増設した中国企業は、これらを中国国内需要向け生産に利用する予定だという。
旺盛な中国内需によって、同社の巻取機生産スペースはすでに、11年9月まで埋まっているという。仮撚機への中国からの注文も依然活発だ。同社の仮撚機月産能力は15台(1台当たり240錘として換算)だが、10年1月からフル稼働状態が続いている。