クラレクラフレックス/製品の付加価値高める/5年後に構造転換めざす

2009年02月25日 (水曜日)

 クラレの不織布製造子会社、クラレクラフレックスの濱幹広社長は5年後に見据える事業構造の転換に向けて2009年度は「製品の付加価値を高めるとともに、コスト削減に取り組む」方針だ。

 現在、売上高でベビーウエット(赤ちゃんのお尻拭き)を中心とする家庭用原反、カウンタークロスなどに代表される業務用、工業用がそれぞれ3分の1を占めるが、ここに水蒸気不織布「フレクスター」など差別化品を投入し、新製品が5割を占める形にしたいとする。

 濱社長は「従来品で拡大するのは困難」との前提に立ち、わたから差別化されたスパンレース不織布の商品化、ダイレクトブローと呼ぶメルトブローでの複合化の加速、そしてフレクスターの本格展開し、付加価値を高める。

 フレクスターは伸縮包帯向けが日欧向けに販売をスタートしており、同分野での拡販を図るほか、ブラカップ向けでの開拓に取り組み「今秋冬物には販売を始めたい」意向だ。

 また、建材用は5月ころに本格化できる見通しで「ようやく第一歩が踏み出せる」ことから、横展開での広がりに期待。景気低迷で遅れ気味だが、09年度にはフレクスターで5割稼働にまで持ち込みたいといする。

 建材用の開拓の一環として、3月3~6日に東京ビッグサイトで開催される「建築・建材展2009」にも2年連続で出展する。今回は小間数を増やし、吸音性、遮熱性、通気性など他材料と比較ができるようにアピールすると言う。

 その他、海外では4月22~27日にイタリアで開催される国際家具見本市「ミラノサローネ」、5月20~22日、中国上海で開催されるアジア国際不織布産業総合展示会・会議「ANEX2009」、6月16~18日、ドイツでの産業用繊維と不織布見本市「テクテキスタイル」などにフレクスターを出品する計画だ。