国内外で安全と信頼を提供/カケン/設備・体制拡充し対応
2009年01月06日 (火曜日)
日本化学繊維検査協会(カケン)は昨年、創立60周年、海外業務展開20周年の節目を迎えた。近年、国内においては、堀留ラボラトリー設置をはじめ、原宿ラボや神戸ラボの移転・リニューアルなど、試験・検査体制を拡充してきた。
創立60周年を迎えるにあたり実施した、大阪事業所の大幅な増床工事は3月末に竣工。総床面積6000平方メートル超、170人を超える陣容は、取り扱い量の多さと対象となる試験・検査サービスの範囲の広さで、国内トップクラスの規模を誇る。
スタートから20年が経過した海外業務では、海外支所と提携機関を合わせ、香港、中国、韓国、台湾、インドネシア、タイ、ベトナムの11拠点をベースに、日本向け衣料品や服飾・生活雑貨などでグローバルに対応している。
中国の提携機関である上海科懇検験服務有限公司は、2007年の「CNAS(中国が国家基準として与える試験室認定)」に続き、昨年は「CMA(中国内販試験検査機関の資格認定書)」を取得。日系検査機関単独では、中国で取得しうる資格認定を受けた。
主力の繊維分野では、納入前試験や検査に加え、抗菌防臭などの生物関係試験、ホルマリンや重金属など有害物質の分析試験、輸出品に対応する外国規格試験など幅広く対応し定評がある。マスクの花粉捕集効率試験を確立したほか、カシミヤなど獣毛混率の誤/偽表示問題などへの対応として、獣毛繊維のDNA分析について研究を推進している。
食を中心に安全性や偽装表示などの問題が取り沙汰されるなか、繊維製品関連でも同様の問い合わせが増えているという。カケンは、繊維業界をはじめとする各事業者と消費者双方の満足を高める、品質管理のサポート体制を、よりいっそう強化していく考えだ。