帝人/タイTPLで熱融着繊維

2008年10月30日 (木曜日)

 帝人はタイのポリエステル繊維製造子会社であるTPL(テイジン・ポリエスター・タイランド)で、芯ポリエステル・鞘ポリエチレンを中心とする熱融着繊維の生産を始める。

 既存設備の1系列を改造するもので、月産700トンの規模。2009年9月から本生産に入る。

 鞘ポリエチレンから成る熱融着繊維は紙おむつや生理用品など衛生材料向けのサーマルボンド不織布の主原料となる。TPL生産のうち、3~4割は日本向けで、残りをタイ国内はじめ東南アジア地域に販売する。

 帝人ファイバーの籔谷典弘短繊維事業部長は「鞘ポリエチレンタイプの定番品は基本的にTPLに置き換える」考えを示し、国内生産の熱融着繊維はエアレイド不織布向けをはじめとする付加価値品にシフトしていく考えだ。

 同社のポリエステル短繊維事業は主力用途の一つである自動車資材用で当初、新規採用などにより販売増を計画していた。

 しかし、自動車メーカーの減産などの影響で、今下期、同用途向けは5~10%落ち込む見通し。全販売量も当初計画に比べて5%減に修正したが、衛生材料に使う熱融着繊維はタイトな状況が続いていると言う。

ことば/熱融着繊維

 熱融着繊維は複合繊維と呼ばれるポリエステル短繊維の品種の一つで、鞘部分に低融点ポリエステルや同じく融点の低いポリエチレンを使う。鞘部分を熱により溶融させることで、繊維を結合させて不織布化するサーマルボンド不織布に使う。ポリエチレンタイプは低融点ポリエステルタイプに比べて風合いがソフトなため、衛生材料が主力用途となっている。