伊藤忠の新ブランド戦略/アジア市場に照準
2008年07月11日 (金曜日)
伊藤忠商事は市場のボーダレス化をにらみ、中国を中心とするアジアの有力企業と戦略的パートナーシップを結び、それぞれの市場でコラボレーションしながらファッションビジネス戦略を推進する。日本市場では特徴のあるブランドや機能素材、テレビショッピングなどのチャネル開発を急ぐ。
佐々和秀常務執行役員・繊維カンパニーエグゼクティブバイスプレジデントは、今後のファッションビジネスの動向について、「日本市場は全体のパイが大きくならず、むしろ縮小は避けられない」と分析し、ボーダレス化していく世界市場、とりわけアジアをターゲットとして戦略を推進する考え。
具体的には中国、台湾、香港、韓国の有力企業と提携し、アジア市場におけるパートナーシップを確立する。伊藤忠はこれまで培ってきたブランドビジネスのノウハウを提供し、協働による欧米ブランドの導入、市場開拓に取り組むことで新たなビジネスモデルを構築する。
日本市場では特徴のあるブランド導入を促進する。消費不況のなかでも「ヴィヴィアン・ウエストウッド」「ポール・スミス」などコアなファンを抱えるブランドは堅調に推移しており、「ブランドのアイデンティティーがしっかりしているブランドは強い」として、引き続き特徴のあるブランドとの提携を模索する。
すでに“大人のかわいい世界”を凝縮した「ルル・ギネス」をはじめ、「ミリー」「アルビーノ・ダマート」など小粒でもブランドの個性が明確な商品の独占輸入販売契約を結んできたが、こうした路線をさらに推進する。
また、機能素材での商品差別化にも力を強める。インナーウエアからスタートした温度調節素材「アウトラスト」はニットなど婦人アウター分野にも広がり、「約140社の企業・ブランドが採用するなど予想をはるかに超えた展開の広がり」(佐々氏)をみせている。この秋冬から大手郊外型紳士服チェーンが紳士服素材として採用を決定、さらに商品分野が広がる。
TV通販のプライムに/「ラグジュアリー」新設
伊藤忠商事は、株式を一部取得して資本・業務提携を結んだテレビ通販のプライム向け商品供給を拡大する。佐々和秀常務執行役員によると、第1弾として「健康」をキーワードとした商品を供給、さらにテレビ通販の枠内に新たに「ラグジュアリー」ゾーンを設ける方向で、同社と検討を急いでいる。
“健康器具”の従来イメージがあるプライムの特徴を考慮し、第1弾として健康シューズ、同ベッド、同マットなどの健康商品を7月から投入する。4~5月には顧客向けにダイレクトメールを発送、その反応が良かったことを確認したうえで番組向け商品に加えることを決めた。
プライムには、一般生活消費財からファッション製品まで商品分野を広げるが、「ブランド物などファッション製品の投入は徐々に進め、拙速は避ける」方針。健康関連商品から新製品を投入し、その後、伊藤忠が保有するブランド商品のうち、テレビ通販に向く商品を加える。構想ではブランド商品の「TV通販限定商品」を打ち出す考えもある。
同時にプライムが持つ24時間の放映番組のなかで、時間帯を考慮しながら「ラグジュアリー」商品を販売する時間枠を新たに設ける方向でプライムと検討に入った。「早ければ今秋にも実現したい」(佐々氏)としている。




