村田機械/産業資材へ本格参入 タイヤコード用撚糸機投入

2008年05月20日 (火曜日)

 村田機械はこのほど、開発と品質確立を進めてきたタイヤコード用ケーブルツイスター「No.3M5」を市場に投入し、産業資材用撚糸機に本格参入する。7月に上海で開催される国際繊維機械見本市「ITMAアジア+CITME08」に実機出展する。

 タイヤコードでは高強度低収縮ポリエステル長繊維を使用するが、撚糸は直撚式のケーブルツイスターが主流。しかし、ケーブルツイスターは、独ザウラー・アルマ社など欧州メーカーの牙城だった。

 村田機械ではこの分野に参入するために開発に取り組んだ。2003年に試作機を、04年に「No.3M5」を開発した。05年に国内のタイヤコードメーカー1社に先行投入し、そこの協力を得て品質確立と性能の精度アップを進めてきた。

 同機の最大の特徴は、直撚式によるスピンドル回転数が最高毎分1万1000回転という生産効率の高さに加え、他社に比べモニタリングシステムを充実させた点。回転数、撚り数、撚り方向、綾角度、電磁センサーの設定をコントロールパネルで一元管理するほか、左右のスピンドルで2品種の同時加工が可能。また、ユーザーの間では電子系統の信頼性は欧州メーカー機を上回るとの声もある。

 同社では、国内市場だけでなく中国市場での展開も進める計画だ。そのために「ITMAアジア+CITME08」に実機出展し、性能をアピールする。木村秀敏常務繊維機械事業部長は「中国は今後、自動車産業で大きな発展が見込まれることから、今のうちに日本製タイヤコード用ツイスターの存在を市場に認識してもらう」と出展の狙いを説明する。