カケン/海外拠点開設20年海外拠点開設20年
2008年03月25日 (火曜日)
日本化学繊維検査協会(カケン)は、1988年11月の香港検査所(KAKEN HONG KONG)開設から、今年海外業務20年の節目を迎えた。現在では海外支所と提携機関を合わせ、香港のほか韓国、台湾、インドネシア、タイ、ベトナム、中国(上海、青島、大連、寧波、無錫)で11の拠点を軸に、日本向け衣料品、服飾雑貨品を主力にグローバルな対応を展開している。
各拠点とも、厳密で細かい日本の品質管理に慣れるまでに時間を要した。これは検査・管理する側だけでなく、現地のアパレル生産者側も同じ。日本からの地道な研修が実を結び、浸透してきたという。
20年の流れの中で、香港では靴、カバン、傘などの服飾雑貨と衣料品、中国本土ではカットソーを中心に、産地によって衣料品アイテムの大まかな住み分けができてきた。
今世紀に入り、税制面の変更や生産コスト上昇などを背景に“中国プラス1”が盛んに言われるようになった。カケンでは1998年のインドネシア(BVCPS INDONESIA)に続き、2004年タイ(COPIT)、翌05年ベトナム(KVL)で相次いで業務を開始した。
繊維産業の成長が著しいベトナムでは、韓国で業務提携する韓国繊維技術研究所(KOTITI)による「KOTITIベトナム試験室(KVL)」で、日本向け繊維製品の品質検査を行い、3年目を迎えた。日系企業の進出に伴い、徐々に受検率も伸びているという。
現時点では、インフラ整備や物流などの面からも、他のアジア諸国に新たな拠点を設ける計画はない。それよりも日本の消費者に安心・安全な商品を提供する一助として、機能性訴求加工や組成の真偽など、よりいっそう検査精度の向上に努めていく。